メロン栽培の基本 - 家庭菜園 趣味のメロン栽培

家庭菜園 趣味のメロン栽培

自宅庭と市民菜園でアールス系・ネット系の素人メロン栽培に挑戦しています。

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メロン栽培の基本 

 

メロン栽培をはじめて行ってから7年が経過しました。意欲的に栽培したのは3年ですが…。最初はまったくわからなかったことも、年を重ねるごとに理解できるようになり、ここらでひとつ、理解できたことを纏めてみようと思います。まずは、素人メロン栽培人「hide」の推奨するメロン栽培のコツのようなものを、参考書を片手に書き記してみました。皆様のご参考になれば幸いです。

注)素人故に間違って理解してしまったことも書いているかもしれません。また、愛知県名古屋市在住のため、そこでの気候を基準として書いていますので他の地域では参考にならない内容も多いと思います。

 

 

第一章 メロン栽培の基本

 

 

第一節<メロンの種類と品種選び>

 

  1).メロンの種類

メロンの種類は、大きく分類すると次のようになります。

  1.温室メロン(純系アールスメロン)
  主に「アールス・フェボリット」種の純系アールスメロンのことを温室メロンと呼びます。この品種の栽培は非常に難しく、ガラス温室内でベンチの上で地面とは隔離して栽培されています。マスクメロンとも呼びます。メロンの中で最も高級・高価な品種であるとともに、最も栽培困難なメロンです。種子は一般に出回っておらず、家庭菜園で育てることができる品種ではありません。

2.アールス系メロン(地床アールス)
 

純系アールスを隔離床栽培しなくても育てれるように品種改良したメロンで、地床でのハウス栽培が可能となった品種です。純系に近い品種ほど栽培が難しいと言われています。種子は種苗会社各社から色々な名称・系統のものが出回っており、家庭菜園でも条件を整えれば栽培可能です。一般的にネットの盛り上がりが非常に濃く綺麗に整い、フェボリットのような肉質・香りを持つメロンとなります。このアールス系メロンには、緑肉だけでなく赤肉タイプもあります。

主な種苗会社で通販入手可能な品種には以下のものがあります。
(ヤエ交配)ベネチア、パリス、アールテムズ、アールセイヌ
(ウエキ交配)雅、ソナタ、クレア、妃
(協和交配)モネ
(萩原農場)アールスアリーナ、アールスダンス、アールスクリオ
(神田育種)アールスロイヤル、エリセ、ロイヤルレッド、ハイネス、ジーニアス
(ナント種苗)和香夏
(サカタのタネ)アールスナイト


3.ネット系メロン(ハウスメロン)
 

ビニールハウス(無加温)やトンネル栽培が可能なネットのあるメロンで、ネットは一般的に薄く密な品種が多いです。アールス系メロンよりも育てやすく、種子も種苗会社から非常に多くのものが出回っています。家庭菜園でも育てやすいメロンです。雑種ということで、雑メロンと呼ばれることもあります。アールス系と違い、自根での栽培でも問題ない品種が多く存在しています。
主な品種は、アンデスやアムス、夕張メロンなど様々な特徴を持った品種が多数存在し、家庭菜園ではタキイ種苗の「パンナTF」や「レノン」、神田育種農場の「ローラン」などが育てやすいと思います。
ネット系メロンには、完熟すると表皮の色が黄色くなる「黄皮完熟ネットメロン」も平成以後に発表され、新しいタイプのメロンとして注目されつつあるようです。このタイプの特徴として、高温期(真夏の35℃)でも高糖度になりやすい点があり、家庭菜園でも美味しいメロンが作りやすいかも知れません。主な品種は、小林種苗の「エリカ」や日本園芸生産研究所「ユウカ」など。


4.ノーネット系メロン(露地メロン)
 

マクワウリの血が入った表皮にネットの入らないタイプのメロンで、代表的なものにプリンスメロンがあります。ノーネット系メロンはネット系メロンよりも栽培容易とのことですが、あまり育てたことがないためここでは触れないでおきます。



2).品種選び

メロンの苗は、ほとんど出回っておらず、種子を入手して苗作りから始めることが一般的です。

メロン種子の種苗会社と通販サイトを以下に記します。

  <種苗会社>
 

萩原農場
神田育種農場
ナント種苗
丸種(宇治交配)
みかど協和(協和交配)
横浜植木(植木交配)
八江農芸(ヤエ交配)
小林種苗
タキイ種苗
サカタのタネ
松井農園
大和農園(天理交配)
中神種苗
日本園芸生産研究所

  <種の通販サイト>
 

三重興農社 e-taneya おすすめ!
サッポロノウエン
神田育種オンライン
ナント種苗オンライン
萩原農場オンライン
おおたねっと
つる新 種苗店
e-たねや


三重興農社は、扱っている種子の種類も豊富で写真付きで紹介されており、私も気に入ってよく利用させてもらっている通販サイトです。


家庭菜園では、育てやすさからネット系メロンがお勧めです。
より質の良いネットの綺麗なメロンに挑戦したい場合は、アールス系メロンから選ぶことになると思います。
アールス系メロンの各品種には、育てる時期に応じた季節名の系統がありますので、それぞれの時期に応じた系統を選ぶこととなります。家庭菜園では保温の必要が無い5月以降の定植ならば、夏系あるいは盛夏系(夏Ⅱ)を選べば7~8月の猛暑でも蔓持ちに優れて糖度も安定します。
ネット系メロンでは、トンネル栽培が可能と謳っている品種なら自根も割りと丈夫です。その中から病害に強く、暑さにも耐える品種を選び、保温の不要な5月以降に定植する作型を選ぶと育てやすくなります。

 

メロン栽培は、基本的に低温に弱く、3月や4月定植はその後の生育を考えると余りお勧めできません。4月中旬以降の定植ならば可能ですが初期はそれなりの保温が必要となります。お勧めは名古屋地域ならGW頃の5月上旬~下旬定植・8月頃収穫の作型で、夏季でも蔓持ちに優れる品種を選択することが良品収穫のコツとなります。



3).自家採種のススメ

 

メロンは大抵がF1種であるため、食べたメロンの種を用いて育てても決して食べたメロンと同じものは作れません。

しかし、それに近いものは作れます。作ったメロンを食べてみると、味もそれにかなり近いものを得ることもでき、決して不味くもなく充分満足できると思います。

メロンの種は購入すると意外と高価です。でも、食べたメロンの種なら気軽に使えます。

私の育てたメロンの半数近くは食べたメロンの種を使っています。購入したF1種と育てやすさを比較しても、特に違った様子が無いことが多いです。

たまに、ヘンテコなメロンが出来ることもあります。赤肉メロンのはずが青肉だったり、外観のまったく異なるメロンになったり・・・。

それも楽しみのひとつにしてしまえば、自家採種栽培がとても面白いと思えるのではないでしょうか・・・。

 

  IMG_2912 種の採取はとても簡単。果実から取り出した種を水で洗って水に沈むものだけを乾燥させて保管するだけです。

これはすべて自家採種で、気に入る度に採取しているため、かなり量が増えました。

メロンの種の寿命はかなり長く、5年程度は余裕で持ちます。

 

 

 

第二節<栽培時期と作型>

 

  1).生育適気温の話
 

栽培時期を選定するにあたり、生育適温の話は避けて通れません。

メロン栽培の各生育ステージで、最も適した温度(気温)は、次のようになります。

img_1201629_35167628_0

かなり細かい温度指定が記されていますが、この温度でなければ育たないという訳ではなく、あくまでも生育に適した温度(気温)となります。

この温度は、プロの農家がガラス温室やビニールハウスで加温設備を使った場合の目標温度であり、家庭菜園では、そのような生育適温を保てるはずがありません。

そこで、家庭菜園の場合では、上記適温に近い気温が得られる時期を栽培時期に選ぶこととなります。

しかし、実際の気温は、上記のように100日間の間、昼間の気温が30℃となる時期は存在しません。

そのため、家庭菜園でメロンを育てる場合、どこかの生育ステージを犠牲にするはめになるのが一般的だと思います。

では、それぞれのステージを適温にしなければどうなるのかについて書いてみます。

(注)上記温度はメロンの標準的な指針であり、品種によって低温伸張性に優れたものや着果性の優れたものも開発されており、一概には言えないところもあります。



1.生育期
 

このステージは、定植した苗が22節ぐらいまで生育する期間です。 この期間に気温が低いと、生長が遅くなります。上記図では定植後35日で開花となっていますが、 気温が適温以下の場合では、それに応じて22節まで生長する期間が延び、50日や60日後にようやく開花となります。延びるだけなら問題ありませんが、この生育期は、花芽の形成される大事な時期でもあります。ここで低温に遭うと、着果しなかったり、着果しても果実が標準以下のサイズとなったり、良いことはありません。また、この時期はじっくりと根を生長させるための大事な時期でもあり、ここでしっかりと根を張らせてスタミナをつけないと、収穫時期まで木が持ちこたえてくれなくなります。


2.開花期
  このステージは、着果予定節に咲いた雌花に雄花の花粉を着けて交配する期間であり、最も大事な期間でもあります。メロン栽培で一番困るのが、着果してくれない場合です。低気温で雌花が咲かずに萎んでしまったり、花粉の出が悪く着果しずらかったりすることもあります。また、この時期に土壌水分が多いと花粉が流れてしまい着果しないこともあります。 大果を狙う場合は、この開花期の数日前から初期肥大期までの気温が30℃以上が続く時を狙うと良い結果が得られやすくなります。

3.初期肥大期

 

このステージでは、交配した雌花が着果し、膨らんでくる期間です。この期間中には、果実内でたくさんの細胞分裂が起きており、この期間に気温が低いと細胞分裂数が減り、小さい果実や形の悪い果実となってしまいます。


4.果実肥大期
  このステージでは、初期肥大期に細胞分裂して増えた細胞ひとつひとつが肥大していく時期となります。肥大には日差しと気温だけでなく、土壌水分も大量に必要となります。

5.糖度上昇期
 

このステージでは、それまでに肥大した果実がより充実し、糖度を蓄える時期となります。昼間にたくさんの日差しを受けた葉は養分を蓄えて、夜間にその養分が果実に転流して糖度が上がっていきます。昼間と夜間の温度差が大きく、夜間の気温が低いと、養分の果実への転流が順調に行われます。温度差が少なかったり、夜間の気温が高ければ養分の転流の妨げとなり、糖度上昇は小さくなります。昼間の気温が高すぎるのも同様に糖度上昇の妨げとなります。また、この時期は水切りといって土壌水分を着実に減らしていくことも糖度上昇に必要不可欠となります。


ポイントをまとめると、甘いメロンを作るためには糖度上昇期に適気温としたい。だからといってあまり早く定植しても着果しずらくなり、着果しても小果になる。逆に、遅く定植して秋以降に収穫しようとすると、生育期の害虫被害に苦労したり、根のスタミナ育成も難しくなる。すべてをうまくこなすのは家庭菜園では無理と思います。

そこで、家庭菜園でお勧めするのは5~6月に定植する作型です。定植初期は、必要に応じてマルチやトンネルなどで保温してやれば順調に生育しますし、害虫被害もそれほど苦になりません。収穫は8月頃となりますが、糖度も12~13度ぐらいは充分出ますので美味しいメロンとなるでしょう。



2).地温の話

 

収穫期までメロンの木を健全に保てなければ美味しいメロンを収穫することができません。時には途中で枯れてしまうこともあります。そんなメロン栽培で特に重要視されているのは根の生育です。生育初期からしっかりと根を増やすことでスタミナ体質となり、収穫期に大きな効果が生み出されます。それには地温も気温以上に重要なファクターとなります。

 

メロンの根は、15℃以下で生長が止まり、13℃以下で細胞死滅する!

メロン栽培では、深さ10~15cmの地温を20~25℃に保つこと!

 

メロンの根は他のウリ科の野菜と同様に低温に弱いのは周知の事実で、上記の通りです。生育初期に気温が10℃ぐらいでも死滅することはありませんが、地温が10℃だと、その日のうちに萎れて消滅します。

そんなデリケートな根ですので、気温の低い時期に定植する場合には、色々と地温を高める工夫が必要となります。



1.マルチフィルムで地温確保

  以下はマルチフィルム別の地温データです。(グリーンジャパンの資材情報より
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見てわかるように、透明マルチが最も高い地温となります。これが春先の気温が低い時期であれば、もっと顕著に差が出ます。春先の定植は、定植の数日前から透明マルチを張って、定植時までに地温を上げておくことがその後の生育を順調にさせるコツのひとつとなります。特に4月のようなまだ気温が低い時期に定植する場合では、黒マルチや銀マルチではダメで、必ず透明マルチが必須です。太陽光を透過させて土表面を直接熱してやり、その熱を逃がさないことで土壌温度が上がるのです。黒マルチではビニール表面の温度が上がるだけでその熱は土には伝わりにくいのです。透明マルチだと雑草が生えるので敬遠したい方にはグリーンマルチフィルム(透明緑)をお勧めします。メロン農家がグリーンマルチを使っているのをよく見かけます。HCなどでは見かけませんので通販での入手になると思います。また、5月以降の定植で地温が低くない場合であれば、透明にこだわらず、黒マルチや銀マルチで良いと思います。

また、夏場は地温が上がりすぎて根が弱ってくることもあります。そのため、透明マルチを使っている場合は、気温上昇とともに剥がすあるいは、その上に黒マルチを被せたり藁を敷いたりする必要があります。夏季は白黒ダブルマルチに張り替えるのも効果的です。



2.水封マルチで地温確保

 

場合によっては透明マルチだけでは地温確保ができないケースもあります。そんな時には水封マルチという手段もあります。水封マルチとは、細長い透明ビニールに水を入れて封をして、苗を定植したベットの上に設置する手法です。これは、日中に蓄熱し夜間放熱することで夜間の地温を3℃程度高める効果があるというものです。ちなみに日当たりが良くなければ逆効果となります。

 

次の写真は、その実践例です

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この水封マルチは、雨天時にスーパーの店先に置いてある傘用ビニールを使って作ったものです。他にはペットボトルや普通の透明ビニール袋でも使えると思います。

 

また、これでも地温が足りないという場合は、温水循環ホースを使う手もあります。私も実践しましたが、かなりの効果が得られます。私の場合はクーラーボックスに熱帯魚用ヒーターを沈め、ベッドのマルチの下の土中に水道用ホースを設置し、ポンプで温水を循環しました。


 

 

 

第三節<栽培場所と雨対策>

 

 
メロンを育てる上で最も重要となるのは、栽培場所の選定です。良い場所を選択し、良い環境を整えれば、それだけで栽培が格段に容易になります。どんな場所や環境が良いのか思うところを書き綴ります。


1).日当たりと風通しと雨避け
 

家庭菜園で栽培する場合、ベランダでプランター・庭花壇・畑と、その人が所有している栽培場所は様々と思います。

どこでも育てれるとは思いますが、共通して気をつけるべき事があります。

それは、日照の良い場所で広々と育てることです。 株間隔を広めとし、密植しないことです。

メロン栽培はやっかいな病害の心配が常に付きまといます。ほとんどの病害の原因は、湿気です。

ジメジメした風通しの悪い環境になると、色々な病害が次から次へと発生し、蔓延しやすくなります。

ビニールハウスがあるのなら、そこで育てるのが最も良いと思います。ただし、湿度が上がり過ぎないように換気することが健全な株とするのに重要となります。

ハウスがない場合でも、ビニールで雨避け屋根を掛けると露地でも育てやすくなります。

立ち栽培の場合は、高い屋根でビニールハウス状にして全体を雨避けし、株元も横殴りの雨をカバーできるようにすると良いです。

地這い栽培なら、大型のトンネルで株元はもちろんのこと、着果節位までしっかり雨避けできると育てやすくなります。

雨避け屋根や大型トンネルが出来ない場合では、最低限、株元だけでもトンネルを設置すると良いと思います。

日照の良い場所で株元をすっきりさせて風通しをよくしてやり、特に株元が雨に直接当たらないようにして乾燥状態をできるだけ保つことが、メロン栽培を円滑に進めるコツとなります。

ちなみに、プランターでの栽培は狭い根領域と少ない土のため、小まめな潅水管理が必要となります。毎日欠かさず数回潅水するのは大変ですのでマメに世話できる方以外は、地植えで栽培したほうがとても簡単だと思います。



2).土質は選ばないが30cmの高畝で!
 

メロンは、砂土壌から粘土質土壌まで栽培可能で、割と土質を選ばないようです。

土質は選ばないようですが、土壌水分には非常に敏感です。また、酸素要求度は他の野菜類の中で最も高い部類に入ります。

そのため、地植えの場合では、30cmの高畝・高ベッドとすることがメロン栽培のコツとなります。

豪雨が降ると水溜りができるような場所での栽培は困難と思いますが、40cmとか可能な限り高い畝とすればなんとかなると思います。ただし、根の丈夫な品種を選んで作付けする必要はあると思います。

それほどまでに、メロンの根は酸素要求度が高く、排水の悪い土地、梅雨の降雨量が多い土地には不向きなのです。

 

 

<自宅庭花壇の一例>

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これは、私の自宅庭花壇のメロン栽培区画です。

2×4材で1m×1.8mの区画を2個組み立て、それぞれの区画枠の地面からの高さは40cmとしています。

この区画の中に高さ30cm以上となるように土を入れて堆肥もたっぷりすき込んで水捌けの良い土としています。

この区画の上には横からも雨がなるべく降りこまないように区画よりも数段大き目の雨避け屋根をイレクターパイプを使って設置しています。

庭で育てるなら、穴を掘るのではなく、こんな方法にすれば、土を水捌けの良い状態に簡単に出来ますし、ベッド高さも必要分を簡単に作れます。

 

しかし、この場所は隣家に遮られて日当たりが悪く風通しも悪いため、病害発生が多いです。

 

 

 

第四節<仕立て方>

 

 
1).立ち作りがお勧め!
 

仕立て方は、大きく分けると「立ち作り」と「這い作り」に分かれます。

アールス系メロンやマスクメロンは立ち作りが常識となっていますが、ネット系メロンでは立ち作りでも這い作りでも作られています。それぞれの利点と欠点は次のようになります。

 

1.立ち作り(立体栽培)の利点・・・品質良好で作業性良い

  • ネットの発生がよく、汚れず、綺麗なメロンとなる
  • 糖度・肉質が良くなる
  • 株数多く栽培できる
  • 整枝作業がやり易い
  • 生育後半は地表が影になり地温上昇防止となり生育が安定する


2.立ち作り(立体栽培)の欠点
  • すぐにトンネル保温できなくなるため早植えできない
  • 果実付近の温度が這い作りよりも低くなるため成熟するのに這い作りよりも1週間延びる
  • 玉肥大が這い作りよりも劣る


3.這い作り(地這栽培)の利点・・・早く、大きくが可能
  • かなり蔓が伸びてもトンネル内とできるため、立ち栽培よりも早く定植できる
  • 地温を地上部の生育にも利用できるため、地上部の生育が立ち作りより1週間早くなる
  • 這い作りは受光率が良いため光合成量も多くなり玉肥大が良い
  • 果実成熟が立ち栽培よりも1週間短くなる


4.這い作り(地這栽培)の欠点
  • ネットなどの形状、品質は立ち作りに劣る
  • 生育前半の生育が良い分、根張りが立ち作りよりも悪くなり後半萎れやすくなる
  • 遊び蔓を立ち栽培よりも多く必要とし、作業性も悪く整枝も難しい
  • 生育後半は高地温になりやすく蔓持ちが悪くなる
  • ベッド上が混み合って高温多湿になりやすく病害が発生しやすい
  • 排水不良の圃場には適さない
  • 立ち作りの3倍以上の面積が必要



家庭菜園では、ただでさえメロンの糖度を上げ難く、糖度の低いメロンは美味しくありません。

ということで、作業しやすく品質も良好となりやすい「立ち栽培」をお勧めいたします。

まずは立ち栽培でメロン栽培の基本に慣れていただき、その後、這い作りの利点を生かす栽培をやってみるのも良いと思います。ちなみに着果節位は栽培方法によって異なり、品種によっても異なりますが、一般的に、立ち栽培の場合では15節位以上に、這い栽培では10節位以上に着果させると良く、それ以下の節位に着果させると著しく品質の劣る果実となりやすいです。

 

また、最初は這い作りで後半立ち上げる「半立体栽培」という方法もあります。

半立体栽培は、特性は這い栽培と同じですが、更に受光量が増えて大果になりやすく、後半、遊び蔓の整枝作業もやりやすい栽培方法です。

 

大果を目指すなら・・・棚栽培もいいかもしれません。これは、上記の半立栽培の逆パターンで、最初は立ち上げて後半を棚の上で這い作りとする方法で、這い作りの欠点を補いつつ利点を生かす方法となります。私が自宅庭で栽培しているのは実はこの方法です。栽培後半もスタミナが持続し蔓持ち良好のため、1個目収穫後に2番果や3番果も楽しめます。




2).1本仕立て1果取りがお勧め!
 

立ち作りでも這い作りでも1本仕立てや2本仕立てが主流です。

1本仕立ての場合では、1本仕立て1果取りの場合と1本仕立て2果取りがあり、

2本仕立ての場合は往々にして2本仕立て4果取りが一般的のようです。

(アールス系メロンは、1本仕立て1果取りが基本となります。)

 

1本仕立て1果取りの場合は、1本の親蔓をそのまま伸ばしていき、1個の果実を肥大させ収穫します。

1本仕立て2果取りの場合は、1本の親蔓をそのまま伸ばしていき、同じくらいの位置に2個の果実を肥大させ収穫します。

2本仕立て4果取りの場合は、2本の子蔓を伸ばしてやり、同じくらいの位置のそれぞれの子蔓に2個づつ果実を肥大させ4個収穫します。

複数個数収穫の場合は、着果日・位置を揃えなければ品質の良い揃った果実の収穫は望めません。

メロン栽培に慣れていないと、揃えるのがなかなか難しく、結果、良い物が4個のうち1個だけだったりということもありえます。それならば、苗数を増やして1果取りにしたほうが効率が良いと思います。

 

家庭菜園でメロン栽培に慣れていない場合は、2本仕立てよりも1本仕立てのほうが管理しやすく、ひとつの蔓に複数の果実を着けるよりも1個だけのほうが、栽培容易・品質良好となるため1本仕立て1果取りをお勧めします。

 

しかし、2本仕立てには収穫数が増える以外の利点もあります。それは、摘心することで生長点が増えるため根も増えて強くなるのです。メロン栽培では収穫間際で根が弱り、萎れて枯れてしまうことがよくあります。そんな事態を防止する目的で、根の強化は有効と考えます。2本仕立てでも、それぞれの子蔓に1個ずつ果実を肥大させる、2本仕立て2個取りも良いと思います。

 

ネット系メロンの場合では、常に遊び蔓として生長点を3~4本着けておかないと収穫まで蔓が持たないことが往々にあります。それは、生長点がなくなることで、根が弱ってしまうからです。そのため着果後の管理としては、摘心した蔓の先端から新たな子蔓を遊び蔓として伸ばし、常に生長点がある状態を作ることで、根を弱らせない管理が必要となります。

また、根の弱い品種の場合は、定植時に一度摘心して子蔓を1本だけ残して伸ばす「子蔓1本仕立て」とすることで、根の生育期間を増やすことで根の強化をすることも可能です。

 

メロン栽培においては、地上部よりも地下部の根の状態を重要視しなければならず、仕立て方で根の弱点を補うことも可能ということは覚えておいて損はありません。

※これらは根が生き生きと育つことができる事前の土作りが大前提となります。

 

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第五節<潅水管理>

 

 
1).メロン栽培の肝は水の駆け引き?

 

メロン栽培では、生育ステージ毎に適切な土壌水分があります。

たとえば肥大期。この時にはもっとも多くの土壌水分を必要とします。不足すれば肥大が鈍ります。

下図に、メロン生育ステージ別の灌水点グラフがあります。

横軸は定植から収穫までの日数で、縦軸はその際の土壌水分量をpF値であらわしています。

このように土壌水分を変化させる必要のある野菜は他では見られないと思います。

そのため、メロン栽培には水の駆け引きが必要だと云われています。


img_1201629_35218699_0


では、各ステージ別に解説いたします。


1.定植時

 

定植後の生長に必要な水分をしっかりと土壌に染み込ませておきます。

この時点で水分量が少ないと、スムーズな活着は望めず、その後の生長に影響します。

大雨が降った直後にマルチした時と同等の土壌水分量が必要となります。



2.定植~着果まで

 

この間は、できるだけ潅水を行わないように努めます。

潅水すれば地上部の育ちが良くなります。潅水量が多いと地上部ばかりが育って根の生長がいまひとつとなります。

それではダメで、このステージでは根ができるだけ育つことを優先し、さらに地上部の育ちも悪くならないような、バランスの取れた潅水管理をします。

私の場合はいつも、潅水なしとしています。

潅水しないことで、定植時に苗付近にあった水分が段々と乾きます。

すると、根は更に深いところに水分を求めて伸びます。

しばらくすると、そこも乾いてきます。すると、更に深く水分を求めて根が伸びます。

この繰り返しで、根の生長を促し、糖度上昇期の水切りに耐えるスタミナ体質を作り上げるのです。

また、着果時は、土壌水分が多いと着果しずらくなります。これも同時に防止しています。

※潅水なしは、地植えで根領域を広くとっており、定植前に必要な水分が保有できているから可能なのだと思います。



3.交配期

 

着果するまでは潅水しないほうが無難です。ヘタに水を与えると着果困難となります。

土壌水分は、かなりカラカラの状態が良いです。 かといって、枯れそうになるほどのカラカラではダメです。



4.初期肥大期

 

着果確認後、肥大を促すため、徐々に潅水量を増していきます。

硬化期に水分過多とならない程度の潅水とします。



5.硬化期

 

果実の表面が硬くなり、指先で弾くとカンカンと音がするようになります。

一旦、潅水を中止します。ここで土壌水分が多すぎるとネットが綺麗に出ないことがあります。最悪、果実に割れが発生することもあるようです。

ただし、ネット系メロンでは、それほど神経質になる必要はありません。

アールス系メロンでは、ネットを綺麗に出すのに気を使います。



6.果実肥大期

 

果実が軟化したら、潅水を再開します。

ここでの潅水は、すればするほど果実が大きくなる感触が得られるはずです。



7.糖度上昇期

 

肥大盛期から少しずつ潅水量を減らしていき、糖度上昇期に備えます。

収穫の10日前には潅水を中止し、土壌水分量を限界まで減らしていきます。

土表面は完全に乾き、少し掘っても乾いている状態がベストです。

収穫時は、完全に干上がった畑というイメージで良いと思います。

この工程が、高畝30cm以上推奨の理由のひとつとなります。

また、この水切りで枯れてしまうようでは論外です。

水切り=枯らして収穫するわけではありません。

水切りの結果は、昼間は萎れても夜はシャッキリ。

あくまでも糖度上昇は昼間に葉が蓄えた養分が夜に果実に転流するわけですので、

そんなスタミナ体質のある根がそれまでにできていなければ、なかなか糖度は思うように上がりません。




色々と書きましたが、家庭菜園では幾ら雨避けしても、大型ハウスではないので、下から染み出してくる水には逆らえません。

そのため、実際の栽培では、各ステージに合わせて土壌水分を変えるのではなく、天気(雨)に合わせてステージを進行させる工夫が必要となります。

たとえば、着果前に雨が続いているから晴れが続くまでは着果は無理だろうから、予定の節位置よりも上で着果させるしかないな~とか、収穫数日前に雨が降ってきたから、収穫はもっと遅らそう~とか・・・。

しかし、乾燥状態が必要な時でなく、加湿状態が必要な時は、ステージに合わせての潅水が必要となります。

 

 

以下は、あると便利な土壌水分計ですが、上記イメージで考えてもらえば特に必要ではないと思います。

 

<土壌水分計>

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これは、土壌水分計です。 テンションメーターとかテンシオメーターとも云います。

この計測器を使って測った数字が、 上図グラフのpF値(土壌水分値)となります。

仕組みはとても簡単で、筒の中に入れた水が 筒先端に取り付けたポーラスカップという焼き物から染み出せば、先端付近の土壌は乾いており、 その逆に土壌からポーラスカップ内に染み込んできたら先端付近の土壌が湿っている事がわかります。

そして、筒に取り付けた真空計で筒内の水の量の変化を読み取り、pF値換算するというものです。

あると便利な代物ですが、特になくても栽培にはさほど影響はしないと思います。

家庭菜園では、雨に左右されることが多いと思いますので、隔離栽培でもしない限り、無用の長物だと思っています。(ちなみに私は持っていますが・・・)


 

 

以上が基本事項です。

そのうち気が向いたら、栽培管理詳細についても纏めてみようと思います。

コメント

おっほ!

分かりやすくまとめておられて、非常に勉強になります。
来年、大いに参考にして頑張ってみます!

もしも、私が同じような虎の巻を書いたら・・・
ここは オーラーッ! とやってください。 だとか、アチョー!
だとかになるでしょうwww
あはは。
今年もメロン栽培を通じて 交流を深める事が出来た事に感謝いたします。 ありがとうございました!

K.Zメロン #mQop/nM. | URL | 2011/08/31 21:21 * edit *

Re: おっほ!

K.Zメロンさん、こんばんは。
こちらこそ、今年もありがとうございました。
来年もお互いがんばりましょう!

hide #- | URL | 2011/09/01 21:26 * edit *

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